貴方を殺しに行く
その様な明確な意思を持って戦に行くのは初めての経験だった。たとえ命じられて、戦に出ても それが例え殲滅の命であっても 決して思わなかった。自分は、駒になりきれなかった。恐怖は憐れみに打ち負けた。決して駒では無い人間がいた。恐怖に勝つ事のできた、人間が。
ただそれだけの事だ。
「敵は本能寺にあり」
私が討たねば、誰が討つのか。
その明確な意思を持って、私は今から、貴方を殺しに参ります。永遠の不忠の汚名を被りに。それもまた、貴方の為だと言ったら、貴方は私を許してくれるかもしれない。
(でもきっと………)